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イマージョン教育・1

多言語教育の世界では「イマージョン教育」と呼ばれるものがあります。
カナダで行われているものが有名だと思います。
「イマージョン教育」とは、いったいどういうものでしょうか。

イマージョン・プログラムとは、未修得の言語を身につけるために、その言語社会に溶け込んで、集中的にその言語の習得のために訓練を受ける教育。



Wikipediaでは、このように説明されていました。

「その言語社会に溶け込んで、集中的にその言語の習得のために訓練を受ける」というところが、これまでの外国語教育とは大きく違う点のようです。


カナダのフランス語教育で導入されたのが最初だそうです。
語学として第二言語を学習するだけではなく、その言語を使ってほかの科目の学習をするというのがこの教育方法です。
日本でも、国語以外の科目を英語で学習する「英語イマージョン教育」を実践している学校が十校あまりあるようです。
群馬県では公立の学校もこの方法を導入して話題になりましたよね。

本来は母語で学習し身に着けるはずの知識を第二言語で学ぶというこの方法には、もちろん否定的な意見もあります。
けれども、母語の使用時間や母語に触れる時間は、一日の中で家庭や周囲の環境から十分に確保しているという前提であれば、こうした方法は確実に外国語運用能力を高めるそうです。

「イマージョン教育」の「イマージョン」は英語のimmersionからきています。
「浸す」という意味です。
まさに、外国語に浸す状況を作る方法です。

カナダでは、ケベック州で1965年から始まったそうです。
ここはカナダの中のフランス語圏です。
けれども当然フランス語が母語の人ばかりが住んでいるわけではありません。
そこで、語を母語とする人々が、フレンチイマージョン教育を始めたのです。
そちらでは、算数、理科、体育、美術などを第二言語で学習します。
国語(英語)、社会といった教科は第一言語で学習するのです。
第二言語で学習する科目は、授業中の学習活動に実践的参加型の活動が多いからです。
知識を文字や言葉から吸収するだけではなく、数字を使ったり、実験をしたり、実際に自分の体を使って活動したりしますよね。
そういった科目では、自然な言語習得が起こる状況が造りやすいと言われているのです。

テーマ : 日本語教育/異文化コミュニケーション
ジャンル : 学校・教育

眠る前のひとときを日本語の時間に

昨日はお風呂の時間を日本語の時間にするという記事を書きましたが、眠る前のひとときも有効です。
寝る前のベッドを「日本語の時間」にするのです。本を読み聞かせしたり、今日一日のことを振り返ったり。質問ゲームはこちらでもできます。一日2問とか3問と、質問の数を決めておくといいと思います。ベッドサイドのライトを使って影絵遊びもできますね。
就寝前ですから、お風呂ほど活動的ではないでしょう。ゲームよりも会話が中心になるかと思います。

他にも、学校から帰って来ておやつの時間とか、ご飯の支度をしている時、などもつかえます。大事な事は、子供も親もリラックスできる時間である事です。急いでいる時は、ついつい楽な言葉を選んでしまいますし、感情的になりやすいので。
家の中での「日本語の時間」は、学習の時間ではなく、親子のコミュニケーションの時間です。日本語を使いたいと思うような雰囲気にすることが大事です。言い直しを強制するのではなく、日本語を使うゲームに巻き込んで楽しく日本語を使う時間になるといいと思います。英語が混じっているときは、こちらがそれを日本語に直して繰り返してあげるだけでいいと思います。例えば「今日Dogがほえたんだよ」「そう、犬がほえたの」という具合にです。
時間は10分から20分ほどと、短くて構いません。そのかわり、毎日設定しましょう。繰り返して日本語の時間を過ごすうちに、それが習慣になっていくからです。

日本語の時間を決める

一日の中で、リラックスして過ごせる時間を考えてみてください。そういった時間を「日本語の時間」と決めてみるのはいかがでしょうか。

たとえばお風呂の時間。子どもと一緒にお風呂に入っているのなら、おすすめです。お風呂に入る前に、子どもとも確認します。「中に入ったら、日本語だよ。英語の舌は、ドアの外に置いてきてね。」と。
その日にあったことを話すのもいいでしょう。また、頭や顔、カラダを洗いながらその部分の名称を言い合うゲームもできます。質問ゲームをして、子どもに答えてもらうのも楽しいです。なるべく素っ頓狂な質問をしてあげると喜びます。歌を歌ってもいいし、手遊びをしてもいいですね。お風呂の時間は、おもいっきり日本語で遊んでしまうのです。
「肩までつかって」「指の間はあらったの?」という指示も日本語で。「タオルを取って頂戴」「お湯はあつすぎない?」と、お願いしたり、質問したりも日本語で。
バスルームのドアに日本語と書いたプレートやカードを貼っておくと雰囲気がでますね。

母語とは何か

では、母語とはなんでしょう?
文字通り母なる言語です。
いや、これではちょっと説明になっていませんね。
 

ある人が幼児期に周囲の大人たち(特に母親)が話すのを聞いて最初に自然に身につけた言語。

 

これはgooのオンライン国語辞書で調べたものです。三省堂の大辞林です。

Wikipediaではこうなります。

母語(ぼご)は、幼児が最初に覚える言語。第一言語とも。日本語では、国を入れて母国語ということが多いが、言語は必ずしも国家と結びつくものではない。例えばフィリピンで母語として使われる言語は172あるが、公用語は英語とフィリピノ語の二つである。




フィリピンの母語の数はすごいですね!
驚きました。

それはさておき。

人間は思考する際に母語を使用するといわれています。
つまり、考える時に使用している言語が母語になりますね。そして、母語によって自分の価値観を明確にするとも言われています。ですから、日本語で考える人は、日本語の価値観を受け入れて日本文化を持った人といえるわけです。
母語は、単に言葉としてではなく、その背景にある文化や歴史、価値観とも無縁ではないのです。

バイリンガル教育についての文章を読んでいると、この母語の大切さが繰り返し登場します。
母語は木で言うと幹なのです。
幹がしっかりしていなければ、枝葉も貧弱になってしまいます。
そうなると、海外で子育てをしている多くの方が危惧するセミリンガルと言う状態になってしまうこともあるそうです。
これは、母語が確立できなかったために、どの言語でも抽象的で深い思索ができない状態をさすそうです。

継承言語とは何か

昨日の記事には、「海外で暮らす子供たちの日本語は継承言語になる」というタイトルをつけました。
さて、「継承言語」とは、いったいなんでしょう?
私も、こちらにきてバイリンガル・バイリテラシー・バイカルチャーについて勉強している中で知りました。

継承言語というのは、「親から受け継いだ言語」のことです。
日本語を母語とする親から、と言ったほうがいいかもしれません。
そして、たとえ日本語が母語にならないとしても、継承言語になることは可能です。なぜなら、子供にとっての日本語は家族の誰にも由縁のない第二第三外国語ではなく、親に由縁のある言語なのですから。

最近の、特に多文化他民族の環境でのバイリンガル研究は、母語と外国語という捉え方ではなく、親から受け継いだ継承言語と、毎日の生活に必要な現地語という捉え方が増えてきているようです。

プロフィール

STUDIO.S日本語教室

Author:STUDIO.S日本語教室
ニュージーランドで小さな教室を開いています。
海外で暮らす子どもたちの日本語保持の方法を試行錯誤しています。
活字中毒。動物好き。
ガーデニング初心者で楽しんでいます。

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