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音読2

音読の2回目は、「暗記・暗唱」について考えてみます。

「読書百篇」という諺があります。意味がわからなくとも百回読めば、自然と書かれている内容を理解する、という意味です。一つの文章を百回読むことは容易な事ではありません。百回までいかなくとも、どこに何が書いてあるかをさっと指摘できるようになるまでには三十回の練習が必要である、ということが言われています。これは、内容理解のために必要な音読の回数と考えてもいいと思います。

教室でも、教科書やテキストを学習しているクラスでは「読み」の宿題が出ています。子供たちは大抵1回読んでおしまい、としてしまうようです。週一回のレッスンと、家庭での一回の練習では、三十回にはなかなか達しないままです。「読み」の宿題のポイントは、すらすらと読めるようになることです。一文字ずつの拾い読みでは内容の理解までには至りません。「暗記するくらい読んできてください」という指示を出すこともあります。音読カードを作って、読みの宿題を確認する方法を取った事もあります。教科書やテキストに、読んだら色を塗る方法で何度も繰り返すことを促した事もありました。
三十回という具体的な数字は、達成が難しいかもしれません。それでも少しでも多く読みの練習を繰り返してほしいと思っています。

音読1

今日は、音読についてです。
音読というのは、声に出して読むことです。
本棚でもご紹介しました斉藤孝氏が「声に出して読む日本語」を提唱したことは皆さんもよくご存知だと思います。
それ以前からも、国語教育界では、音読には力を入れてきました。斉藤氏の提案のように暗証するところまでは行かなかったかもしれませんが。とにかく、教室で音読をしなかった人はいないのではないでしょうか?では、音読にはどのような意義があるのでしょう?

音読は、日本語を体で読む活動です。目で文字を読み、口で発声し、耳で聞く。体を通して日本語を体感し、身につけていくのです。市毛勝雄氏は

「上手に音読する必要があるのは、気分を表現するためではなく、よりよく理解するためだからである。なによりも、文字という記号の固まりを言葉としてときほぐすのは、音読が最良の手段なのである。」

と述べています。
また、小さい子どもの場合は、音読のほうが黙読よりも読みの速度が早いという報告があります。内容理解についても、四年生が音読から黙読への移行時期とみられています。つまり、四年生以前は、黙読よりも音読をしたほうが、内容を理解しやすいとうことです。
一般に、一年生から三年生は、読みを学ぶ時期であり、この時期は音と字とを合致させていく練習をします。そして、音読によってそれらを確認をするのです。四年生以後は、学ぶ為に読む時期です。多量に読むことが大切な練習になります。大量の情報を読みながら処理していくという読み方に移行しますので、黙読の方が内容理解にするようになるのです。

ですから、低学年の間は、音読の練習は大変重要だと言えます。さらに、海外で学ぶ子供たちにとっては、高学年以上になっても「日本語を発声する事・自分の話す日本語を聞くこと」は大切だと思います。なぜなら、日本語を発声する機会が少ないからです。また、日常会とは違った文体に触れるチャンスでもあるからです。

読む力・高学年の場合

学習言語を読む力について考えてみます。

まず、「学習言語」とは何でしょうか?これは「文脈の支えが少なく認知的な負担が大きい場面で発動される」言語です。授業中に求められるような抽象的な思考活動をに必要なものです。文字を媒介に新しい知識を仕入れたり、内容を整理・分析したりといった活動に要求される能力です。「生活言語」から「学習言語」に至るには、とても時間がかかると言われています。
また、母語での「学習言語」が確立されているかどうかも、重要な決め手となります。「学習言語」領域は母語(第一言語)と第二言語の間で相互作用を及ぼすと言われているからです。

日本語で学年相当の内容を学習するためには、日本語での読み書き能力、日本語の語彙と知識が必要です。
読みの力は五・六年生程度の授業についていく力があれば、基礎は完成しています。国語の教科書をご覧になるとわかると思いますが、小学校三・四年までは「話し言葉」中心の学習です。五・六年になると日常生活では使わない言葉が多くなり「書かれた日本語」を読むことが要求されるようになります。中学に入るとさらに内容のレベルが上がっていきます。学習内容も日常生活からかけ離れた内容になってきます。「書かれた日本語」を通しての学習が必要です。漢字も増えてきた日本語の文章が難しくなってくるのが高学年なのです。

ここでは、「読み聞かせ」とは別に、学習言語としての「読む力」を伸ばすためのアイデアをまとめてみました。

1.家庭の中に読書の環境を
これは「読み聞かせ」とも重なりますが、大切な事なので。読書環境とは、家族全員が読書をする時間を持つこと、読み聞かせ、本にまつわる会話などがその例として考えられます。楽しみながら読める本を探して、お父さんお母さんも一緒に読んであげることで、日本語を使った楽しみが、又一つ増えるのです。そして、読書力は全ての学習の基礎になるものです。ですから、日本語力の向上のために英語での読書も大切であることも認識してください。
身近な「日本語読み物」としての教科書の熟読も効果的です。繰り返し読むことを嫌がる子どももいますが、全文を暗記できるくらい読み込むことができれば、達成感はもちろんのこと、日本語の持つリズム感がつかめるようになります。ただし、これは三年生くらいまでの教科書に限って言える事のようです。

2.現実に即した文章を読む
物語だけではなく、新聞記事、評論文などの現実に即した文章に接する事も大切です。こうした説明的文章に触れることは、自分の考えを理論的に説明する力も養います。文章で表現する力もつきます。
普段の生活の中で使われる表現の多くは、文学的な表現や詩的な表現よりも、いつ、どこで、だれが、なにをした、というような理論的な表現です。ですから、こうした種類の文章に触れることも大切なのだと思います。

3.多読
とっかえひっかえ、手当たり次第に本を読む子どもについて、斜め読みで内容が頭に入っていないんじゃないかしら?と心配の声をきくこともあります。けれど、様々なジャンルの本を手当たり次第に読むことで、自分の好みもはっきりしてきますし、何より大量の日本語・文字に触れることができます。
頭の中で英語に訳さなくても理解できるレベルのものは、思い切り大量に、流し読みでも構いません。これは、日本語の持つリズム感や感触に慣れるということが最大の目的です。
語彙量や定型文句を増やしていくためには、自分の日本語レベルよりも少し高めの作品を選び、内容を理解しながら読み進めていくことが必要です。その際には、言葉の意味を聞いたり、自分で辞書を使って調べたりという作業が必要になってきます。(ですから、小さい子供には面倒ですし、理解力が高まる12才前後からの取り組みでいいのではないかと思います。)このように、辞典や百科事典を使って丁寧に読むことは、読解力向上の鍵です。その読書が各教科の学習内容の理解向上にもつながりますので、高学年には是非試して欲しいと思っています。

4.母語で既習の内容を日本語で読む
これは、母語が日本語ではない場合を想定しています。たとえばニュージーランドの歴史や、オールブラックスの記事、あるいは英語で学習した日本のことなどを、日本語で読み返す方法です。既習の内容を日本語に置き換える作業をするのです。
未知の内容を学習する場合、概念形成、言葉の習得、語彙の蓄積をいっぺんにやることになります。これでは負担が大きいでしょう。日本語の意味がわかるだけでは、概念の理解が深まったとは言えないからです。

視覚で捉える日本語6

6回目の視覚シリーズは、買い物メモです。
時間に余裕がある時、買い物リストを日本語で書きます。子どもでも読めるようにひらがなやふりがな付きで書きます。
そのメモを子どもに持たせて、店内を回るのです。野菜売り場で、「今日は何を買うんだったっけ?」とか、「牛乳は買うんだっけ?」などと、時々チェックしてもらいます。全品チェックするとあまりにも時間がかかりますから、ところどころで構わないと思います。
責任ある仕事を任された子どもは、真剣にメモをチェックします。仕事と日本語の学習が結び付いているのです。

かけるようになった子どもには、このメモ自体を書いてもらうのもいいかもしれません。
こちらが言った言葉を聞き取って書くという練習にもなりますね。

視覚で捉える日本語5

5回目の視覚をテーマにした活動はメッセージボード、伝言板です。

メッセージボードに毎日子供へのメッセージを書くようにするという方法です。ボードではなく、お手紙やメモでもいいと思います。文章が長くかけるよう、読めるようになったら交換日記もいいかもしれませんね。

初めは「おかえりなさい」や「おはよう」「すきだよ」といった簡単なフレーズがよいと思います。徐々に「今日は寒いね」「おやつはなんでしょう?」「4時になったらプールに行くよ」など、様子や行動に結び付く内容にしていきます。何度か繰り返して同じ言い回しを使うと、目にする機会も増え、様子や行動とメッセージが結び付きやすくなります。

プロフィール

STUDIO.S日本語教室

Author:STUDIO.S日本語教室
ニュージーランドで小さな教室を開いています。
海外で暮らす子どもたちの日本語保持の方法を試行錯誤しています。
活字中毒。動物好き。
ガーデニング初心者で楽しんでいます。

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